『彩 綴 綾ー染織文化の探求と創造』展 女子美アートミュージアム

2019.02.25

女子美アートミュージアムで開催中の の「染織文化資源研究シンポジウム 礎 解明 継承」へ。
相模原キャンパスにあるミュージアムはちょっと不便だし(女子美の方、すみません!)、定員100名だがそんなに来るのかな?と思っていたら、参加者が会場に入りきれず、立って聞いている人に急遽椅子を持ってきてのすごい熱気にあふれる雰囲気。一つ一つの発表が時間をかけて調査・研究され、かつ多岐にわたる内容で素晴らしいシンポジウムだった。展覧会も作品が見やすいように配置され、じっくり見ることができた。会場では卯辰山工房の川本先生等知った方々にお会い出来てうれしかった!
ご発表では特に、岡田宣世先生の「絶滅に瀕する道具や素材の維持開発と供給ー手作りの日本刺繍針の現状」が興味深かった。工芸の世界では同じ問題を抱えている場合が多いのだが、日本刺繍も京都にいた手打ち針を作る職人さんの技術が途絶えそうになっている現状報告の中で、手打ち針と半手打ち針と機械製の差などとても勉強になった。また、そういった伝統工芸とは対極ともいえる、繊維に行うスパッタリングについての松本博子先生の御発表は繊維産業の未来を思わせる示唆に富んだ内容で興味深かった。
残念なのは、この展覧会が開催期間が短いこと。もっと何度か通いたい展覧会に思えた。