東急本店で開催中の「アジアの布 暮布図 craft」展

2015.06.02

東急本店(6F 家具売り場)で明日まで開催中の「アジアの布 暮布図 craft」展の会場で一点だけショーケースに入っている布があります。
150-200年前のものですが、最も染めにくいといわれれる赤色が今なお鮮やかで、織り込まれた模様は霊的な女性の立ち産の様子や馬や象など今では再現不可能といえるほど精緻です。仏教が伝わる14世紀以前のラオスでは精霊信仰やシャーマニズムが信じられており、シン(ラオスの女性が履くスカート)に織り込まれたナガ(竜)や蛇、象、タングロー(鳥の一種)などの模様はさまざまな信仰が背景にあります。
一方で寺院に参拝の際は極端にアニミズム的な大きな模様があるものは避けて、幾何学模様や植物などの落ち着いたシンを身につけるそうです。
母から娘からに織り方が伝わったシンには母が娘を思う心、嫁ぐ際に持っていくシンにはこれからの生活に期待と不安を寄せる若い娘の心などさまざまな思いがこめられれている気がします。