養老先生 ありがとう!

2010.04.10

今日は養老孟司先生の講演を聴く機会があった。
先生は、けっこうぼそぼそとしゃべる方で、ときどき聞き取りにくいところもあったが、内容はすごく面白かった。
東大で解剖学を教えると、体中の骨やいろんな部位についてすべてを一時に覚えることは無理でも、とにかく人間の体としてなんとかして自分なりの方法で覚えていくべきことがあって、東大の学生でもそれができない学生がいる。そういう学生は最終的には医者に向いていない。医者というのは、患者を前にしたら、分析やパソコンを見ながらではなく、患者を診て診断を下さなければいけない。だから解剖学で人間の体を覚えることは大事だという話が一番興味深かった。
オックスフォードでの私の恩師であるインピー先生は、美術史は科学的でなくてはいけないというのが口癖だったがなんとなくわかるような気がする。
インピー先生はトカゲのあごの研究で動物学で博士号を取り、そのあと美術史に進まれたが、そんな先生だから科学的であるということの大事さを考えておられたのだと思う。
これからすこし博物館学を学んでいきたいと思っている。今日は科学について養老先生からいろいろ興味深いお話を聞けてくれしかった。