ロイヤル・ウースター・ジャグ
2008.06.26
写真はロイヤル・ウースターのジャグ。製造年1891年。高さ18cm, 口径9cm.ウースターは創立者が化学者と医者だったせいか、非常に詳細な記録を残していて、裏印に関してもわかりやすい。
1891年というと森村組が創立されて13年後であり、このウースターのジャグが作られる2年前には大倉孫兵衛たちがパリ万博やヨーロッパの窯を訪ねているので、孫兵衛たちがこういったウースターの作品もみた可能性は大いにある。
森村組はウースターの作品が手本として適切だったらしく、スティントンの牛やボールドウィンのスワンなどさまざまなウースターのデザインから影響を受けている。
このウースターのジャグを見ると主張しすぎないデザインのバランスのよさといい、持ち手の使いやすさに加えて全体の重量も適切で、まさに使うために作られたという感じがする。
森村組幹部がウースターを好んだのもうなずける。単体で飾っても、花を飾っても使いやすい名品である。