加藤春光は草食系男子?

2010.04.05

瀬戸の陶工加藤春光(二代 1881-1958)はどんな男性だったのかとよく考える。その作品のどれもが優しい。生地が薄くて、形が華奢で、色は黄色の玉子ぼかしか薄いピンクを加えてたもの、あるいは白磁がほとんど。デザインのモチーフは花が多い。もちろん人物やそれ以外のモチーフもあるのだけれど、現存するほとんどの作品は今言ったような作品が中心。
あまり実用的ではなくて、本当に使われたかどうか疑問なんだけれど、女性が思わず手に取ってみたくなる魅力にあふれている。
春光作といってもその数からして、春光一人の手によるものではなく、工房というか春光の工場で作られていたのだろうが、春光の指示で作られたことはその一定のコンセプトからも明らかである。
しかし、「会ってみたかったなあ、春光」にというのが本音だ。
今はやりの草食系男子ではなかっただろうか?作られた作品からはマッチョであったとはとても想像できない。
きっと誰にも優しい人であったと想像しながらいつも春光の作品を眺めている。