宗廟祭礼楽
2011.06.11
今日は、ソウル昌徳宮で、今月毎週土曜日に行われている宗廟祭礼楽を事前に予約してもらって、聴きに行った。
宗廟祭礼楽は、朝鮮王朝の先王を奉る祭礼の順序に伴う音楽で、堂上楽と堂下楽の軒架の楽隊、佾舞員の舞から構成されていて、雅楽器と唐楽器、郷楽器をすべて使用する。
執拍楽師が拍を一度大きく鳴らすと、それに続いて祝の演奏者が砧を打つようにドンドン、ドンドン、ドンドンと3度鳴らし、続いて節鼓を3度打ち、もう一度拍を鳴らす。
今日のソウルは雲一つない晴天で、梅雨がどこへ行ったのかと思うぐらい暑い日だったが、宗廟祭礼楽が響く空間だけは、静謐で、神々しさにあふれていた。
楽器は、編鐘、編磐、方響、拍、牙琴など私が数えることができただけで15種類の楽器が配置されていた。
先祖を大切に思い、国家安寧を願った李朝朝鮮の祭礼の世界に惹きこまれた豊かな時間を過ごした。
ソウル市内の小学生がたぶん課外事業だろう、先生に連れられて聞きに来ていたが、今はわからなくても、そして子供たちの宗教がなにであっても、先祖を敬う音楽を聴いたという経験は無駄にはならないのではと思った。