漆と薔薇一輪―三田村有純作 純金彩漆天目蒔絵『遙』
2011.05.08
先日 大阪高島屋で開催中の、東京芸大教授で江戸蒔絵師の系譜をくむ三田村有純先生の個展にお伺いして、純金彩漆天目蒔絵花瓶『遙』を購入した。
現在、玄関のアンティークの漆の小机の上に飾ってある。ススキや女郎花といった和花と合う雰囲気かなおとおもったが、このようにバラとも相性がいい。
凛と咲いた黄色のバラの花をこの花瓶に一本活けると、漆の豊かな質感だけでなく、選ばれた木の素材の良さと、正面下部の金彩のデザインー海だろうか、砂だろうかーが安定感をもってバラを支えてくれている。
三田村先生の作品は、今回の展覧会で大型のものを見て、大きなコンクリートの打ちっぱなしの壁にでも似合うなあと(残念ながらうちには現在そのような広々としたスペースがないのがつらいが)、一緒に見に行った友人と語り合った。
三田村先生の恩師である高橋節郎先生の安曇野の美術館に去年行ったとき、高橋節郎の80歳を越してなおもエネルギーを感じる堂々とした作品に出会って感動したが、三田村先生も、これからのエネルギーを予知させる作品を作っていらしてうらやましかった。芸術家の作品から元気をもらうと自分も頑張ろうと思える。