陶磁器を受け継ぐー真葛香山の銀継ぎ

2011.04.03

東北日本大震災で、自分ができることはなんだろうと考える。もちろん日々の暮らしの中で、少しずつできることはあるけれど。

芦屋に住んでいて体験した阪神大震災のころを振り返ると、地震当初は、まず自分の家族や親せき、知り合いの命が助かったことに感謝し、次は早くガスが来ないか、水道が来ないかとライフラインの心配で、割れてしまった食器などはしょうがないとあきらめ、もう二度と高価な食器など集めるまい!と思っていた。でも生活が落ち着いてくるとやっぱり、プラスティクや紙ではない食器が欲しくなり、、オールドノリタケを集め始めたのも震災以降だった。
それで、これまでこれほどの地震はなかったにせよ、いろんな戦争や台風、地震、火災などを生き延びてきたオールドノリタケたちを今こそ、震災で食器を亡くした方々にお届けしたり、義援金をお渡しできないかと思うようになった。
今、JPS(日本ポーセリン協会)の仲間に計って、なにができるか考えている。
陶磁器は割れる。でも割れるから貴重なのだ。日本では金継ぎという素晴らしい技術を使って、割れた食器を次世代へと伝えてきた。
(写真は真葛香山の磁製緑柚鷺画鉢。銀継ぎをして次の世代へ伝えていきたいと願っている)