「漆芸ー軌跡と未来」シンポジウム拝聴
2012.10.07
昨日の、東京芸術大学創立125周年記念事業『「漆芸―軌跡と未来』のシンポジウムは中身の濃い素晴らしいシンポジウムでした。
東北芸術工科大学教授小林信好先生の生漆に含まれるセシウムの量(ありがたいことに検知されずでしたが)などの詳細な調査や、会津大学天気大学部准教授井波純先生の津波に流されたお神楽がきれいになったら、地域の多くの人たちがまたみんなで踊れる町を再生したい喜んでくれたという「東北被災地からの報告」も身を乗り出して聞いてしまったし、北村昭斎、中里壽、室瀬和美先生たちの保存修復の討論も興味深く、
吉田千鶴子先生の藝大の漆工科の草創期の発表は自分が研究している明治期の話なのでもっといろいろ聞いてみたかったし、横溝廣子先生の図録の論文もとても参考になってこれからいろいろ引用したい。
鈴木雅也先生、大西長利先生、赤堀郁彦、増村紀一郎先生のディスカッションは「漆芸教育と社会」のディスカッシ
ョンも近代の漆芸界の話が口伝で聞いているようでやっぱり読むの
と違って耳から入る面白さを充分感じた。ただまとめるコーディネーターの三田村先生はたいへんだったと思う。
どんなに入念な準備をしてもあの芸術家としても素晴らしい4人の先生方の話をまとめるなんて不可能で、そういう意味では大いに楽しみリラックスした気持ちで聞けたディスカッションでした。
そして70歳を超えたこの4人の先生方のお肌の艶にびっくり。手を使う工芸家というのは年齢より若く見える人が多いけれど、漆って使っているとお肌にもいいのかなあ。お肌つやつやの4巨頭が並ぶ姿は圧巻でした!