カップ&ソーサーと就活

2012.01.12

今日、「日本人の美意識」という授業で、近現代の日本の輸出食器という内容の講義をして、自分が考えるカップ&ソーサーのスタンダードを学生に描かせ、その中で学生同士で選んだベストな作品がこのカップ&ソーサー。

前回の授業では、一番売れると思うカップ&ソーサーのデザインを描きなさいというとちょっと商品化には奇抜すぎるものもでていたが、今日はおおむねよく考えられていて、特にこのカップ&ソーサーはモダンな中にも品の良さがあり、さすがにベストに選ばれただけある。これを描いた学生は、4年生で、あるコスメティクスの会社に内定が決まっているが、コスメティクスという女性の美に携わる会社が内定を出すだけのセンスのよさである。

ものすごく独創的というわけではなく、この手のデザインはみたことはあるが、制限時間内に、きちんとバランスよく、色の配色も考えて仕上げるという能力はやはり十分評価してよい。

こういう授業をすると、自信がないのか手より口の方が動いて、友達としゃべってばかりいて作業が進まない学生、描いては消してアイディアが作品に反映しない学生、いいものを描いているのに発表が恥ずかしそうで、周りからの評価を得られにくい学生など十人十色である。その中にあってこれを描いた学生は、発表の仕方も落ち着いていて上手だった。

学生の就活を横で見ていると、ほんとうにたいへんそうで、なにかできることがあれば助けてあげたいと願う(だからと言って授業にも出ていない学生に単位をあげることはできないが)。人前で話すことが得意な人間ばかりではないだろう。でも一生懸命時分をアピールして内定が出た学生には心からお祝いを述べ、まだ出ていない学生には頑張って!と声援を送りたいと思う。一日も早く内定がでて、自分が気に入ったカップでおいしいコーヒーか紅茶を飲める日が早く来ますように!