モルドヴァ オルフェルヴェッキ村の祈り
2012.05.20
5月5日から17日まで12日間にわたるGUAM(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドヴァ)のプレスツアーは非常にハードで盛り沢山な、連日平均睡眠時間が5時間ぐらいという体力に挑戦するような旅行であったが得るものも非常に大きかった。
その中で最も心打たれたのは、四カ国の中で最後に訪れたモルドヴァの首都キシニョウから60km離れたオルフェルヴェッキ村の4万年前からある洞窟にすむモルドヴァ正教の老師の祈りの姿であった。
がけを登って洞窟に降りていくと、祭壇があり、静かに老師が祈っていらっしゃる。隣の部屋はかつては他の僧も使っていた寝室。寝室とはいえただの洞窟のままで、ベッドがあるわけでも毛布すらもない。それどころか、立って歩けない高さである。かがまなければ歩けない。わざとそうしてあるのだという、常に屈んで歩くことで、いとたかき神の存在を感じるのだという。
モルドヴァはヨーロッパ最貧国と言われ、行く前にはいったいスラブ的なのかロシア的なのか、アゼルバイジャンのように回教の雰囲気があるのか、まったく、国の印象というのがつかめなかった。
でも、実際に行ってみると、ワインがおいしく、ジュースがおいしく、野菜がおいしく、人も優しい。そしてこのオルフェルヴェッキ村の洞窟の老師に会えただけで、今回の旅に来れてよかったと心から思った。