三室山と法隆寺の桜そして釈迦如来
2012.04.11
昨日、竹芸作家で奈良・斑鳩の谷岡茂男先生を訪問し、その帰りに、法隆寺
を拝観することにした。このことを谷岡先生にお話すると谷岡先生の奥様が、それなら法隆寺に行く前に、三室山に寄られたらどうですかと教えていただいた。三室山の桜も盛りだという。
三室山、、、紅葉で有名だっけ、、「三室山の紅葉は龍田の川のにしきなりけり、」百人一種。で、上の句はなんだけっけ、、さんざん考えて思い浮かばず、携帯で調べて、「嵐吹く、、」そうそう、そうだと考えているうちに三室山のすそ野へ。ほんとうに桜が満開。そばには竜田川。川沿いを近所の人が散歩している。
東京の千鳥ヶ淵や目黒川だと歩けないほどの人なのに、ここは、のんびりと、なんともいえない贅沢な空間。はじめてきたのだけれど、竜田川の雰囲気もすごくいい。万葉の人が歌うのもわかる。とはいえ、歌に読まれたのは紅葉で、そのころには桜は咲いていなかったのだろうけれど、奈良のよさはこんなところにあるなあと、しばし見とれる。で、気がつくと4時過ぎ。法隆寺の拝観時間は5時までなのであわてて、法隆寺へ。
法隆寺の桜も満開。小学校の遠足で奈良にはなんどか来たことがあり、大人になってからも来たのだけれど、若いときにはそうも思わなかった奈良の良さがこの何年かで特に感じる。好きなお寺はいくつもあるけれど、なんといっても最高は法隆寺。建築学的に完成されているのに、伸びやかさがある。そしてこんなにも桜が満開なのに、混雑していない。だれもが桜を楽しむことができる。
そして、釈迦如来及び両脇侍像を拝観。止利仏師の作と言われる面長な顔には、アーモンド形の眼とアルカイックスマイル。飛鳥時代の代表的な彫刻。いつみても何回観ても大好きなお顔。なんというか説教臭くない。なにを話してもうんうんと聞いてくれそうな懐の深い感じがする。
お花見のシーズンには京都や奈良にいくのは避けていたのだけれど、今回は仕事なので選択の余地なくでかけて、ついでという感じで法隆寺、ついでのついでというので三室山。でも最高のお花見をした気がする。今年の桜は寒かった分色もきれいだったし。奈良の良さを改めて感じた一日だった。