湯川豊編『新しい須賀敦子』

2016.02.11

6年前から寄稿させいただいている季刊誌『珈琲と文化』100号記念特別号に、「冒頭部分が一番好きな小説は、須賀敦子の『ミラノ 冬の風景』とカレン・ブリクセン”Out of Africa”(邦題『アフリカの日々』である」と書いた翌日、偶然に湯川豊編『新しい須賀敦子』が12月に集英社から刊行されていることを知ってさっそく購入。これは2014年の神奈川近代文学館での「須賀敦子の世界」展がもとになって書かれている。

 須田桃子著『捏造の科学者』を読んで、小保方晴子著『あの日』を読まないのは片手落ちかと、『あの日』を読んで、読後感の悪さを感じたばかりだったので(あくまでも個人的主観だが、科学的にSTAP細胞の存在を説明できていない、自分は主体的に実験させてもらえなかった、あの騒ぎでは体調を崩して、と被害者意識に満ちているが、、そもそも、博士論文でcopy&pasteした件などには全く触れず、、)、『新しい須賀須賀敦子』を読んで改めて、須賀敦子の品格の高さに触れることができた気がして満足だった。『ミラノ 冬の風景』『ヴェネチアの宿』また再読しよう!