第58回伝統工芸展 白幡明先生ギャラリートーク
2011.09.30
花器「連」白幡明 第58回伝統工芸展図録から転載
今日は先日の金工の大角先生に続いて、ガラス作家の白幡明先生のギャラリートークを日本橋三越で開催中の伝統工芸展で聞くことができた。
このギャラリートークは、みっちり一時間その道の最高の作家の先生が自ら、実際にさまざまな作品について語ってくださる。
特に今日の白幡先生のトークは、先生のご専門のガラスだけでなく、伝統工芸展ではガラスは諸工芸の分野に入るので、その他の工芸、七宝、硯、象牙、截金、屏風についても語ってくださった。先生の深い知識には本当に感動。しかもそういった様々な工芸について、冗談も交えながら素人にわかるように語ってくださる。
工芸の先生のお話は、自らの経験を自らの言葉で語ってくださるので、ひとつひとつの言葉がすごい力を持っている。特に白幡先生の言葉は、ご自分の作品を前に語っていただいたので、迫力で心に訴える。先生は、工芸とくにガラスは、もともとあったように見えるのが目的=そこにないものを作る」「生まれたての赤ちゃんの肌が一番きれいなように、ガラスも吹いた直後が一番美しい。その状態をいかに保てるか」
など、ごくさらりとおもしろくしかし本音で語って下さり、最後に「何年、何点作品を作ったかということではなく、何点誰かの記憶に残ることのできる作品を作るかが大事」とトークをしめくくられた。
図録にある先生の作品には、この写真にもあるが作品の虹が見える。今日は虹を見たようなほんとうにすばらしいトークを聞くことができてうれしかった。