軽井沢の夜
2011.06.20
夕方から降っていた雨もいつのまにかやんで、軽井沢の夜は闇に沈んでいる。
あまりの静けさと暗さに、東京から来てすぐは慣れなくて、いつもはテレビをつけていたりするのだけれど、今日はテレビの調子もおかしくて、テレビをつけずにいたら、音も光もない。
もちろん、部屋の中は灯りがあり、充分明るいのだけれど、ベランダに出る硝子戸をあけて、庭を見ると真っ暗闇。
東京にいると、37階のマンションで、窓からは24時間どこかしら電気がついている光を見ることができるし、電車や車の音も耳を澄ませば聞こえてくる。
だから東京から一時間でこの闇は悪くないと思う。
本当は、締め切りが迫っている新しい本の企画書を書き上げなければいけないのだけれど、その静けさの中で、読みかけていた小池真理子『無花果の森』をソファーで読み上げてしまった。小池真理子の小説は最後がハッピーエンドじゃないのも多いけれど、これは最後がよかった。
さあ、この静かな夜に仕事を仕上げてしまおう。