Hillwood美術館(Hillwood Estate Museum & Gardens)
2016.08.28
ワシントンDCの美術館はスミソニアンなど有名だが、私の超おすすめは(特に女性に)、Hillwood 美術館(Hillwood Estate Museum & Gardens).
アメリカで初めてシりアルを売り出したPostun Cereals(現General Foods)の相続人で故マージョリー・メリウェザー・ポストの邸宅、庭、調度品、収集品が美術館になっている(どれだけシリアルを売ればこの巨大な富を築けるかは想像もつかない)。
マージョリーは三番目の夫(!)が外交官で、ロシア大使になったとき革命が起き、ロマノフ王朝の財宝が皇帝や貴族により超一級の宝飾品や磁器セットなどを手放されたことから、これまでに所有していたフランスのセーブル焼などのコレクションにそれらを収集してコレクションに加えた。
ダイヤがちりばめられた2個の巨大なインペリアル・ファベルジェ・イースターエッグやロマノフ王朝のニコラスII皇帝との結婚式にアレキサンドラ皇后が使用した王冠など、圧倒されるものばかり。調度品の見事さに一瞬ここはヨーロッパの宮殿かと錯覚するのだけれど、1950年代に建てられた邸宅だけに、冷蔵庫やオーブンなど当時の最新式の台所もあり、ここはアメリカなのだ!と思い返す。庭園もゆっくりできる。またガイドの説明も楽しくて素晴らしい。
当節さかんに、断捨離と叫ばれ、倹約、節約が美徳といわれたりするが、これらの工芸品や絵画や調度品を見ると、いかに美術がこういったパトロンたちに購入され、収集されたことで、守られてきたことかがよくわかる。超一流の美を目の当たりにして、すかっとした!ワシントンDCに行かれたら是非お勧めです。<