セーブル 国立陶磁器博物館 その2

2011.02.28

これまで、マイセン、ヘレンド、ロイヤルコペンハーゲン、ミントン、ウェッジウッド、ロイヤルウースター、リモージュなど海外のさまざまな陶磁器博物館を訪れたが今回のセーブル窯は、造芸技術の確かさ、金彩の見事さ、絵付けの精緻さという意味では別格である。もちろん、中国の故宮博物館(北京、台北とも)にもすばらしい作品は多数あるが、中国では各王朝ごとに特徴があり、王朝が違うと民族も違うので、これは別格としよう。そういう意味において、セーブルはブルボン王朝の繁栄によって作られた、日本で言うと献上鍋島だけ、中国で言うと各王朝ごとの皇帝使用品だけを集めたというグレードである。それにもかかわらず、博物館の観覧者数が少ないのは(私が訪れた時もシーズンオフということはあるが、わずか数人だった)、個人の収集としてはあまりに高価すぎてコレクターの興味から見に来る人が少ないのと、現行のセーブル窯製品が値段が高い割に魅力のある作品が少ないからではないだろうか