前崎信也先生からご著書『わが陶器造り』
2019.01.08
京都女子大学の前崎信也先生からご著書『わが陶器造り』をご恵送いただき、大学に行く電車の往復で読んでいる。
富本憲吉が陶芸家を目指す学生たちに向けて書き残した冊子の原書を掲載し、後半を詳しい脚注をつけて翻刻された本である。
まず原著の部分を読みすすめていくと、浅学なため読めない漢字が多々あり、しばらく格闘?ブレーンストーミング?してもわからない場合、翻刻されたページに入ってなるほど!とうなずく。窯に作品を入れる際の図なども残しており、興味深い。
陶芸史において今後の富本研究には欠かせない本であるとともに、一人の指導者としての富本の姿勢が分かって襟を正す思いである。
今日は、「圖案」の項の「私は模様に付て枝を曲げたり、花を切って断面を写して新しい模様をつくれとは決して言はない。見、考へ、そして悟ることである」との言葉にとても感銘を覚えた。