乳香と没薬

2015.01.15

昨日は東京芸大工芸基礎の学生たちへの授業で、アジアの工芸品がいかにヨーロッパで高い評価を受けていたかという話をした。
その際にマンテーニャ作『東方三博士の礼拝」では博士らが贈り物(乳香、没薬、黄金)を献げる際に黄金を中国の染付の酒盃に入れたという話と共に、では乳香と没薬とは何?ということで持参した。
写真右が没薬(粒状)、左が乳香(の入ったボトル)である。
どちらも木の樹脂。乳香は空気に触れて固化すると乳白色になるのでこう呼ばれる。没薬は英語でMyrrh(ミルラ)と呼ばれ、古代エジプトでは遺体の防腐剤に用いられたりしたことから、ミルラ→ミイラと呼ばれるようになったという説もある。
三つの贈り物のうち黄金は今でも高いが、乳香と没薬は誰でもハーブ用や漢方として安全なものを手に入れることができ、特に乳香は私の好きな香りである。私の個人的な意見として、没薬はいがらっぽく臭い!(ミイラと聞いてなるほどと思う)が乳香は鎮痛剤にも使われてるというが本当にすーっとする。当時の三大貴重品が(黄金を除いて)、今は体験できるというのが楽しい!