『ロシアのオリエンタリズム』を読む
2013.11.22
今読んでいるのが『ロシアのオリエンタリズム』(ディヴィド・シンメルペンニンク・ファン・デル・オイエ著 浜田樹子訳 政文社 2013年)。ロシアにおける中国趣味(キタイシナ)を論じている。
エカテリーナ二世を含めてロシア人たちのオリエンタリズムが自らを西欧ともっとも同一視していた時代に起こっているのが興味深い。ロシアがアジアから根本的に遠く離れたものだと考えていた。
ヨーロッパやアメリカにおけるオリエンタリズムを論じた本は多いがロシアのオリエンタリズムは今まであまり見たことがないので新鮮。
著者が1/4ロシア人の血が入っているとはいえ、カナダ人で英語で書かれているためか、和訳も違和感がなく、丁寧。ただ、ロシア人が書いたこの関連の研究が今後訳されるともっとおもしろいなあと思える。